お前の愛した男はオレではない
暗闇の中、息を殺すようにベッドの隅に潜むサクラを背中から抱きしめる。
さきほどしてしまった行為を思い、抱きしめる腕は少し震えた。ただ、その中にある背はより大きく震えていた。
全身をこわばらせたサクラの顔の表情は見えないが手に取るようにわかる。
オレが悪かった。もう二度としないから許してくれ。
こう言えばサクラはすぐに許してしまうとわかっていてもその言葉が紡げなかった。
「……は 離して」
聞きたくない言葉をぶつけられて、意固地になってサクラを抱きしめる腕はより強くなった。
「……さ サスケくんが こんなことするなんて…思ってなかった」
黒く固まった血が小さく染み付くシーツを握ってサクラは怒りと哀しみをこらえているようだった。
お前は「サスケ」と何度もこういうことをしたんじゃないのか。そう言うのを唇を噛んでこらえた。
「……オレとじゃ…イヤだったのか」
「そうじゃないよ…そうじゃない…」
腕の中でしくしくと泣くサクラを哀しく辛く感じる。
順番を間違えたのはわかっている。わかっているが、それでも、先に「サスケ」と愛しているサクラに自分を早く愛して欲しかった。受け入れて欲しかった。
そしてそんな、自分と「サスケ」を区別できていないのは自分自身だと、啼いて嫌がるサクラに精を吐き出した時にようやく気づいた。それで気づいても心は頭の理解に追いつかない。
もっと…もっと「オレ」を好きになって欲しい。
今のお前にオレだけを好きになって欲しい。
お前だけずるいだろう、「サスケ」ばかりずるいではないか。
サクラの恋慕を独り占めできない自分と、自分を独り占めしてしまっているサクラは、対等ではないだろう。
ぐるぐると考えが回り言葉の羅列も回った挙句にこんな言葉が吐いた。
「お前は『サスケ』とヤったんだろ」
「は」
「オレとはできないって言うのか」
「なにそれーーーー」
サクラが激昂する前に、その手首を背中に回してそのまま身体を自分の身体で押しつぶす。
身動きが取れない状態でサクラは泣いて怒っている。そんなサクラを自分でも驚くぐらい冷たく見下ろして、臀部を揉みしだき、割れた小陰唇に勢いよく自分の肉棒を突っ込む。
悲鳴のような泣き声をサクラはあげたが、無視して腰を前後に揺らし、女の膣をかき乱す。
こんなものただの暴行でしかないとわかっているが、それでもこうするしかなかった。暴力で恋慕を奪い取るしか方法がないと思った。殴り続けさえすれば心も観念し、愛してくれるのではないかと考えるただの暴漢だった。
膣をさまざまな角度や深さで突き回すと悲鳴が啼き声に変わり、サクラの尻からは愛液や尿がとめどなく流れた。
時折膣を流れる自分の我慢汁を感じると、サクラはビクビクと身体を痙攣させ、子宮へ流すため膣の筋を収縮させた。
絶頂を経て降りてきた子宮口を目掛けてトントンと膣を力任せに突くと、サクラは喘いで膣を伸縮させる。
「サスケくん……サスケく……」
身体の自由を快楽に奪われたサクラは、涙を流しながら何を訴えたいのかもわからず自分の名前を呼ぶ。
それが自分なのか、「サスケ」なのかはわからなかった。
わからないからこそ、「サスケ」なのではないかと怒りが増す。
その名前を言えないように、オレだけをただ抱きしめ、見つめ、話させるために、何ができるのか。
オレを抱きしめる時、見つめる時、話す時、その時必ずお前の愛した男の姿をお前は重ねているんだろう。
果てしない絶望が眼下に広がる。
オレは、お前の愛した男をただ殺したい。